HOME | dialogue | No.2 アウンズ・ヤナギハラ

第4話。心でとどける。心をむすぶ。

株式会社アウンズ・ヤナギハラ 代表取締役社長 柳原 一貴氏(静岡県浜松市)
 

 No.2 社名を変えるという決断

柳原 その後、スマイルスタッフ※5や、アクル※6、ファーブル※7といった新規事業についても、ネーミングやロゴマークをつくっていただきましたね。 
 
藤田 ネーミングやロゴマークは、「柳原新聞店」というブランドとの関わりや、それぞれの会社や事業がスタッフやお客様に明確な存在意義を感得していただいて、初めて意味を持つものです。シンボルマークやロゴマーク、ロゴタイプは、お客様を巻き込みつつ、パーソナリティや明確なイメージを正しく伝えることで認識される知的資産ですから。 
 
柳原 おっしゃる通り。そういった見えない部分までしっかり考えてくださるから信頼できるんですよ。できあがったデザインも、どれも期待通りで満足していますし。 
 
藤田 ありがとうございます。柳原さんの熱い想いを知っていたからこそ、それに応えたいという気持ちが大きくなるんですよ。さて、次に社名変更(2015年)についてお伺いしたいんですが・・・。 
 
柳原 ええ。新規事業も少しずつ軌道に乗り、いよいよ「新聞配達業」という括りではおさまらなくなってきたことが社名変更の大きな理由です。 
 
藤田 あのとき、「社名変更はするけど、ブランド・スローガンとシンボルマークは気に入っているから残したい」とおっしゃってくださったこと、嬉しかったですねえ。
 
柳原 あはは。だって、この2つは我々の経営理念そのものだから。社名を変えるとなったときでも、やっぱり変えたくなかったんですよ。 
 
藤田 社名変更のときには、社内でも特別にプロジェクトを立ち上げられたとお聞きしましたが。
 
柳原 ええ。最初は私ひとりで考えていました。でも、会社としてスタッフが主体的に考え、共有していくことが大事だと思い、自分たちがこれからどうあるべきか、「2020年の私たち」と題して何度も何度もスタッフと話し合いましたよ。ビジョンや文化のない会社では価値は伝わりませんから。 
 
藤田 社名を変えると決めたとき、スタッフのみなさんの反応はどうでしたか? 
 
柳原 うーん、最初は反対の声も多かったですねぇ。せっかく浸透している名前を変えるのはどうか? と。でもね、時代が大きく変わっていくことも事実。今まで通りの新聞店ではなく、新規事業も含めた当社のブランド価値を認識していただくためには、社名を変えることが必須なんだとスタッフには伝えました。理解してもらうのに時間はかかりましたけど、これから先も選ばれるために何を変え、何をプラスしていけば良いのかをとことん話し合うことで、やるべきことがより具体化されて、やっとふみきることができたんです。 
 
藤田 貴重な時間だったんですね。社内プロジェクトで議論されたレポートをいただいて、じっくり読み込み、こちらも時間をかけてネーミングをご提案させていただきました。最終的に決まったのが「アウンズ・ヤナギハラ」でした。 
 
柳原 はい。新聞店を外した社名にしたかった。本当は「ヤナギハラ」も外したかったんですけどね。でもそれは今じゃない。今はまだ、先代から50年以上地元に愛されてきた「柳原新聞店」の「ヤナギハラ」がないと、どこのだれなのかわからなくなってしまうような気がして。 
 
藤田 そういった、財産を引き継ぐことはすごく大事なことです。そうしたら、今後は「アウンズ」だけになるなんてことも? 
 
柳原 あるんじゃないかな。そのうち「ヤナギハラ」と同じくらい「アウンズ」が認知されていけば、将来的には「アウンズ」だけにしたいっていうのが僕の希望です。「アウンズ浜松」とか、「アウンズ横浜」とか、そういうカタチで展開できればいいなあと思っています。
 
藤田 それは僕も楽しみです。ちなみに今現在、社名変更してから2年ぐらい経ちますが、評判はいかがですか? 
 
柳原 評判? すっごくいいですよ。「アウンズ」という言葉がだんだん浸透してきているんじゃないかなあ。最初の頃は、「アウンズってどういう意味ですか?」とよく聞かれました。そんなときは、「あ・うんの呼吸から来ていますよ」と説明すれば、みなさんすぐに「なるほど」と納得してくれましたよ。 
 
藤田 そうでしたか。社名変更のタイミングで、コミュニケーション展開もさらに広げましたよね。名刺や封筒、社屋の看板はもちろん、バス広告や、スタッフジャンパーなどのツールも制作しました。ずいぶん周りの目に触れる機会も増えたんじゃないでしょうか? 
 
柳原 ええ。そうなんです。新聞販売店というと、伝え方や表現がどこも一緒になってしまうけど、我々は、自分たちらしいシンボルマークやスローガンでわかりやすく伝えていくことができる。同じ業界の中でも、他とは違うということを明確に打ち出しているから、周りからも新鮮だと言っていただいています。 
 
藤田 「差異化」ですね。 
 
柳原 はい。でも、だからといって差異化は、マークをつくれば自動的にできるということじゃない。このマークには、ちゃんと理念が見えるから伝わった。理念をカタチに落とし込めたんです。 
 
藤田 おっしゃる通りです。理念をカタチにすることの大切さと難しさを理解してくださっているから嬉しいです。意味があるカタチじゃないと伝わらないですからね。これは、デザイナーとして常に大切にしていることのひとつです。

     

 



ブルックスタジオ制作実例

>アウンズ・ヤナギハラ

 

株式会社アウンズ・ヤナギハラ(旧 柳原新聞店)

1960年3月3日、新聞販売店として創業。2015年、創業55周年を節目に「ホスピタリティ流通業」としてさらなる進化・発展をするために社名変更。「心でとどける。心をむすぶ。」を合い言葉に、「新聞事業部」「カルチャー事業部」「食品宅配事業部」「健康介護事業部」「生活サポート事業部」と、様々な事業を展開している。
 
▶︎アウンズ・ヤナギハラホームページ

 


 
※1)CI[コーポレート・アイデンティティ]:企業の社内意識と、社外からの企業イメージが、同一化された状態のこと。目標とする企業イメージを確立させ社会に伝えていき、企業のブランド価値や認知度を高めることで、企業の業績を向上させることがCIの役割である。 また、企業内でもアイデンティティを確立・共有し、社員の心のよりどころや誇りとなる役割もある。
※2)MI[マインド・アイデンティティ]:企業理念や企業の方向性、考え方、ビジョンの統一化を図ること。
※3)BI[ビヘイビア・アイデンティティ]:そこで働く人たちの行動、ふるまい、発言の統一化を図ること。
※4)VI[ビジュアル・アイデンティティ]:企業の視覚的要素のすべてをデザイン的に統一すること。
※5)スマイルスタッフ:アウンズ・ヤナギハラの社員のこと。常に笑顔を届けるために「社会との調和」、「人間力の発揮」、「お客様本位」を目標に掲げ、実践している。
※6)アクル:機能訓練専門デイサービス「きたえるーむ」の運営。高齢社会における「クオリティオブライフ=生活の質」の向上に貢献している。
※7)ファーブル:農家さんの畑=ファームとご家庭のテーブルを結ぶ「ファーブル倶楽部」。
※8)トーン&マナー:表現の一貫性を保つためのスタイルや方法などのルール。統一した「らしさ」を与えることで、その魅力は何倍にもなり、記憶にも残る。

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