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第2話。ブランド体験の場をつくる。

富士木材株式会社 代表取締役社長 川口 祐介氏(静岡県富士市)

 
 今回の対談の会場として、オープンして3年が経つ、木と暮らしのギャラリー・ショールーム・ショップ[キト暮ラスカ※1]にお邪魔しました。当日は「羊毛フェルトのオーナメントをつくりましょう」という暮らし教室が開かれていました。
 

No.1 「体験」を「感情」につなげる

藤田 賑やかですね。平日のイベントにもこんなにたくさんの人が集まるんですか? 
 
川口 ええ。週末はもちろん、平日にも多くのお客様が足を運んでくれるようになって・・・。去年ぐらいからでしょうか、「[キト暮ラスカ]のような雰囲気の家を建てたい」と、相談に来てくださるお客様がとても増えました。おかげさまで契約数も増えたので、2階に新しく打ち合わせスペースをつくったんですよ。3年続けてきて、[キト暮ラスカ]の知名度だけではなく、フジモクの家づくりの認知度があがってきたことを実感しています。
 
藤田 もともと、フジモクさんは地元の富士ヒノキをはじめとした無垢材にこだわった家づくりに取り組まれていましたよね。 
 
川口 はい。この地域でずっと仕事をやらせていただいて、みなさんに支えられて今があるわけですから、地域に根ざし、地域に貢献しながら成長していきたいという想いがありました。 
 
藤田 地域に根ざした家づくりの大切さは考えていても、それを具体的な形で情報発信するにはきっかけが必要だと思います。本社移転を機に、空いたスペースを利用して富士ヒノキの普及や地域活性化も含めた情報を発信したいということで、川口さんからお話をいただいたのが[キト暮ラスカ]の始まりでしたよね。 
 
川口 そうでしたね。以前は、フジモクの家づくりを多くの人に知っていただきたいと思って「移動型モデルハウス」をやっていたんですよ。ただ、モデルハウスは既に出来上がった家なので、どうしてもすぐに間取りの話になってしまう。我々はそれよりも「木の暮らし」を感じていただくことから入ってほしいという想いが強かったんです。木の家の室内空間を見て「こんな雰囲気がいいな」「こんな空間で暮らしたいな」と思っていただいた人と一緒に家づくりがしたい。木の暮らしの提案をこの場から情報発信したいと思ったんです。 
 
藤田 ご相談いただいた当初は、ポジショニングも含めて[キト暮ラスカ]と[フジモクの家※2]と[富士木材]の関係について考えたときに、ショールームでもショップでもない場所に、果たして人が来てくれるんだろうかと思ったこともありました。でも結果的には、家づくりの提案ではなく「気持ちのいい木の暮らしを提案する情報発信の場にする」という切り口が良かったんでしょうね。
  
川口 実は、我々も最初は不安だったんです。スタッフからは、「大変なだけだ」とか「それよりも見学会やイベントに労力をかけて直接的な集客をした方がいい」なんて不満の声も聞かれましたね。
  
藤田 そうだったんですね。 
 
川口 でも、単なるモデルハウスやショールームにはしたくなかったんです。それではお客様にとって敷居が高いし、地域のみなさんにもっと気軽に木の空間に触れてほしい。暮らしを身近に感じられるイベントを開催して、多くのお客様に来ていただくにはどうすれば良いか? 試行錯誤の毎日でしたね。最初2年は不安でしたけど、そんな中でもとにかく「木とどう暮らしていくか」、「木の空間で暮らすとこんなに楽しいよ」と感じていただける場になるよう、そこだけはブレずにやってきたんですよ。 
 
藤田 「モデルハウスに来ていただいて、フジモクの家づくりを知っていただく」という以前までのやり方を一度捉え直して、「気持ちのいい木の暮らしを感じていただくための体験の場所をつくる」という別の解釈から課題解決に導き出したわけですね。ショップやイベントに訪れた人の「体験」が、「気持ちいいな」「また来たい」というお客様の「感情」につながったんじゃないでしょうか。 
 
川口 そうなんですよ。[キト暮ラスカ]はまさにそれが実現できた場所なんです。以前のモデルハウスでも、木の作家さんと一緒にイベントを開催することでお客様は集まってくれたんですが、実績にはあまりつながりませんでした。でも最近は「[キト暮ラスカ]のような雰囲気の家を建てたい」とおっしゃっていただけるお客様が多くて、本当に嬉しいですね。

     
 


ブルックスタジオ制作実例

>キト暮ラスカ

 

富士木材株式会社(フジモク)

1913年(大正2年)に川口材木店として創業。富士山麓の御用林から木を伐り出して製材するなど地域の木材を供給することを生業とした時代から、様々な木材(ヒノキ、スギから海外の米マツ、北洋カラマツなど)を扱う経験を経て、1975年(昭和50年)に木の家づくりをスタート。
 
▶︎フジモクの家ホームページ
▶︎富士木材株式会社ホームページ

 


 
※1)キト暮ラスカ:2014年2月に富士木材の新しい住宅ショールームとして誕生。ショールームやギャラリー、ショップにキッズルーム、木の工房や家づくりの資料館など、心地良い住まいとその暮らしから生まれる楽しみを様々なカタチで届けている。
※2)フジモクの家:富士木材株式会社 住宅部門のブランド名。フジモクの家は一本一本の木との出会いを大事にして、地域に根ざした快適で豊かな暮らしの提供に取り組んでいる。

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