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第9話。地域の木の家のスタンダードになる。

株式会社小林建設 代表取締役 小林 伸吾小林 伸吾氏(埼玉県本庄市)
 

 No.2 コミュニケーションを誘発させる

藤田 2003年にオープンしたモデルハウス「杉の家」がまさに小林建設さんならではの「地域性」をカタチにしたものですよね。
 
小林 そうですね。地元の杉の木をふんだんに使用して、無垢の木に囲まれた暮らしがいかに心地良いかを体感していただけるようにしました。そのモデルハウスのネーミングを「陽の栖」として、さらには藤田さんの提案で小林建設の家づくりのブランド・ネームとしたわけです。
 
藤田 家づくりの方向性が明確になって、お客様とのコミュニケーションの場であるモデルハウスもできました。小林建設さんの家づくりとお客様を結びつけるコミュニケーションの中心になるものが必要だと感じて、ネーミングとシンボルマーク、ロゴタイプをご提案させていただきました。
 
小林 ここから本格的に小林建設のブランディングが始まりましたよね。
 
藤田 はい、工務店のブランディングは、ゼロから考えるのではなくて、マイナスからでした。
 
小林 当時は、工務店にいい家がつくれるのか? とか、建物はつくれるけど、センスが悪いとか、つくっている人が怖そうとか、そういったマイナスイメージが一般的にありましたから。
 
藤田 そんなイメージから脱却して、小林建設さんの価値をわかりやすく伝えるには、単にモデルハウスの名前に使うだけではなく「陽の栖」をブランド・ネームにした方が良いんじゃないか? と感じたんです。
 
小林 そうでしたね。小林建設の家づくりのブランド・ネームとして展開していく際に、あのシンボルマークができたわけですよね。
 
藤田 そうです。「陽の栖」には太陽などの自然と融合した住空間という意味を込めて、コンセプトは、「地域と家族のスタンダードになる家をつくり、守る。」ブランド・スローガンは「正直につくる木の家」。それで今のシンボルマークになったわけですが・・・。
 
小林 提案を見たときはびっくりしました。これが工務店のシンボルマークかって。
 
藤田 このシンボルマークは小林さんだからこそ使いこなせているんですよ。下手すると単なるイラストで終わってしまうと思います。
 
小林 僕だから使いこなせている、というと?
 
藤田 小林さんは、ブランドを成立させるために、ネーミングやシンボルなどの核になるものをつくった後も、正しいメッセージを一貫性を持って継続して伝えています。常にその発想で実行されているから「伝わる」のです。
 
小林 「伝える」ではなく、「伝わる」がコミュニケーションだということですね。
 
藤田 その通りです。最適なコミュニケーションを築けたから、2007年に「杉の家」が地域工務店で初めてグッドデザイン賞を受賞されたんだと思います。しかもベスト100に入られて。いやぁ〜、あのときは感激しましたね。
 
小林 藤田さん、自分のことみたいに喜んでくれましたね。
 
藤田 もちろんですよ! 出来上がった「モノ」だけが評価されたんじゃなくて、木材加工業者とのネットワークや、地元の杉の良さを伝え、地場産業の発展に貢献しているという・・・まさに「陽の栖」のコンセプトが評価されたわけですから。
 
小林 時代にピッタリ当てはまったことも大きいでしょうね。
 
藤田 あれから周りからの見る目は変わりましたか?
 
小林 どうでしょうか。きっと変わった部分もあると思いますが、それよりも自分達の気持ちの方に大きな変化がありました。「陽の栖」ができたときからブランドを意識していたのはもちろんですけど、グッドデザイン賞を受賞して注目をされる様になったことで、小林建設のイメージをしっかりと統一していかなければならないなと、より強く感じましたね。
 
藤田 ブランディングの中で最も重要なのはそこです。小林建設さんはスタッフから職人の方まですべてが、現場の整理整頓、現場シートや看板の魅せ方などありとあらゆる点で、常に「小林建設がお客様からどういう見られ方をしているか」という目線でブランドを意識したプロモーションをされているから、伝わる力が重なり大きくなるのだと思います。
 
小林 僕としては、藤田さんから常に客観的な意見を聞けているのも良いんだと思っています。

     

 



株式会社小林建設

埼玉県本庄市に3代続く地域工務店として、地元の財を活かし、地域に根ざす家づくりをしている。「正直につくる木の家」をブランドスローガンに、OMソーラーやパッシブデザインを取り入れた、心地良く美しい木の家をデザインし、ただ1つのかけがえのない「栖」を提供。 2007年『杉の家』、2013年『コバケンLaBO』、 2017年『ギャラリーhinosumika』でグッドデザイン賞受賞。
 
▶︎小林建設ホームページ

 


 
※1)OMソーラー協会:現OMソーラー株式会社/「環境と共生する地域建設の創造」を理念に、もともと自然が持っている力を利用して熱と空気をデザインする、OMソーラーシステムを開発・販売する会社。ブルックスタジオは1990年〜2015年までキャンペーン、プロモーションに携わる。
※2)「現し(あらわし)」工法:日本の伝統的な木造工法で、普通は仕上げ材によって隠してしまう真壁や梁の木材をそのまま露出させた仕上げとする工法。
※3)近山運動:近くの山の木で家をつくる運動
※4)ZEH:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、住まいの断熱性などを上げてエネルギーのムダを省いた「省エネ」と、太陽光発電などによる「創エネ」を組み合わせて、一年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅。

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