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第9話。地域の木の家のスタンダードになる。

株式会社小林建設 代表取締役 小林 伸吾氏(埼玉県本庄市)
 

No.3 営業マン無しで行うプロモーション

藤田 今回受賞した「ギャラリーhinosumika」のパンフレットを制作させていただきましたが、モデルハウスでありながら、「ただいま」と帰ってきたくなるような安らぎを感じる、落ちついた空間ですよね。
 
小林 おかげさまで、すでにとてもたくさんのお客様にご来場していただいて。今回のモデルハウスは「住み心地の良さ」を追求したゼロエネルギー準備住宅なんですよ。
 
藤田 準備住宅? あまり耳にしないですね。
 
小林 そうでしょう? でもZEH※4はよく聞くでしょ。
 
(しばらくZEHの話で盛り上がる2人…)
 
小林 ・・・この話まだ続けてもいいの?
 
藤田 いいんです(笑)! でもこのまま続けていたら夜中になってしまいますね?
 
小林 じゃあ、元に戻しましょう(笑)。なんだかんだいっても、こうやって藤田さんは僕の専門分野のことを良く理解しようとしてくれるでしょう? だからプロモーション・ツールをお願いしても、スムーズなんだよね。ギャラリーhinosumikaのパンフレットをお願いしたときも、各モデルハウスのポジショニングやコンセプトを的確にまとめていただけたし。
 
藤田 デザイナーは目的や伝えるべきことを理解していなければツールには落とし込めませんからね。ただ、お客様の目線で考えること。「これくらいはわかるだろう」という考えに陥ってしまわないように気をつけています。
 
小林 「これくらいはわかるだろう」ねぇ、それが一番怖いことだね。
 
藤田 僕はこうして小林さんとお話をさせていただいているから小林建設さんのことを理解していますけど、お客様はモデルハウスや見学会が「小林建設のつくる家」を理解する機会になるわけですよね?
 
 小林 そうですね。お客様から見て、モデルハウスは小林建設の考える「理想に近い家」そして完成見学会は、実際に注文された「お客様の家」つまり 「その家族の最適なカタチ」になりますね。
 
藤田 目指しているところと現実の両方を見て理解していただくわけですね。
 
小林 モデルハウスは素材も見せ方も理想を目指しているので、実際に全て取り入れるのは難しくても「こんなやり方もあるんだ」と参考にしていただけることも多いと思います。でも我々としてはモデルハウスを見ていただくだけではなく、できれば実際のお施主様の建物を見て、より現実的になっていただきたいと考えています。
 
藤田 納得していただくには時間がかかりますよね。納得していただけるコミュニケーション・ツールがあれば営業マンはいらないと、以前におっしゃっていましたが。
 
小林 ええ、当社には営業マンはいません。見学会場に足を運んでくださるお客様には、誠心誠意「小林建設のつくる家」についてご説明します。その上でじっくり読み込める、わかりやすいパンフレットを用意し、興味を持っていただいた方を勉強会にお誘いする。時間をかけて、良さを理解していただき、お客様のご希望にも寄り添う。そういうことこそ何より大切にしたいと考えているんです。
 
藤田 家づくりを始めるときの知識や理解は、お客様によって違いますから、アプローチできる角度や幅が増えるよう、一緒にいろいろなツールを制作させていただきましたね。小林さんは「陽の栖」のプロモーション全体をしっかりとコントロールされている。そこが素晴らしいと思います。
 
小林 でもね、それこそ先程の話に戻りますが、「これくらいはわかるだろう」の気持ちを捨てて伝わる仕組みを考えないと・・・。家づくりにおいても、良いものをつくっているだけでは、お客様に選んでいただけません。だからモデルハウスや見学会で体感していただくことはとても大事なんです。
 
藤田 実際に体感していただける場があって、その上で「納得」していただけるようなコミュニケーション・ツールをしっかりと活用されているから、営業マンはいらないんですね。
 
小林 おっしゃる通り。
 
藤田 そこが小林さんのこだわりですか?
 
小林 そう、だから営業マンはいなくても、ここ数年で、設計も性能も施工もしっかりとやってくれる工務店だと明確に伝わっているな、という実感があります。
 
藤田 それは、小林建設さんがお客様の目線で「良いと思える会社か」ということを考え、伝え続けてきたからです。ブランドをつくって終わりではなくて、常に上を目指すこと、伝えること、良いお客様に出会うことを充分に考え実行した結果、「陽の栖」というブランドも確立されたんだと思います。
 
小林 きっとこれからも、お客様の意識は変化していくのでしょう。その中で、地域工務店の小林建設として在るべき姿を常に考えていかなければなりません。
 
藤田 そう言えば・・・話は飛びますけど、何年か前に、東京駅で「陽の栖」のトートバッグを持っている小学生を見かけたんです。塾の帰りかな? 本や参考書がぎっしり詰まって・・・。思いがけないところで目にしたので、一瞬ハッとして、そのあと可愛らしいなあと何だか嬉しくなったのを思い出しました。
 
小林 へぇ! そうですか。そういうふうに使っていただけるって幸せですね。あの素材、藤田さんが言う通り、不織布にしなくて良かったなぁ。しっかりした素材だったから簡単に捨てられずに、ショッピングバッグにしたりして永く使ってくださる方もいます。そういうのって嬉しいですね。
 
藤田 そうですね。あのトートバッグはお客様が家づくりの資料を持ち帰るためにつくったものです。資料の冊数も多くて重たくなるだろうと、しっかりした帆布でつくったんですよね。プロモーション・ツールはお客様への気遣いが大事です。小林建設さんのそういう気遣いがあってこそのブランドですよ。ですから、今日来てくださった「ついで」も僕にとっては素敵な気遣いなんです。
 
小林 そうか・・・ではまた近々、「ついで」に寄りますね。
 
藤田 お待ちしています!
 
 
2017年11月7日ブルックスタジオにて

     

 



株式会社小林建設

埼玉県本庄市に3代続く地域工務店として、地元の財を活かし、地域に根ざす家づくりをしている。「正直につくる木の家」をブランドスローガンに、OMソーラーやパッシブデザインを取り入れた、心地良く美しい木の家をデザインし、ただ1つのかけがえのない「栖」を提供。 2007年『杉の家』、2013年『コバケンLaBO』、 2017年『ギャラリーhinosumika』でグッドデザイン賞受賞。
 
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※1)OMソーラー協会:現OMソーラー株式会社/「環境と共生する地域建設の創造」を理念に、もともと自然が持っている力を利用して熱と空気をデザインする、OMソーラーシステムを開発・販売する会社。ブルックスタジオは1990年〜2015年までキャンペーン、プロモーションに携わる。
※2)「現し(あらわし)」工法:日本の伝統的な木造工法で、普通は仕上げ材によって隠してしまう真壁や梁の木材をそのまま露出させた仕上げとする工法。
※3)近山運動:近くの山の木で家をつくる運動
※4)ZEH:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、住まいの断熱性などを上げてエネルギーのムダを省いた「省エネ」と、太陽光発電などによる「創エネ」を組み合わせて、一年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする住宅。

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