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第6話。産地の農家を元気にするブランディング。

丸浜柑橘農業協同組合連合会 所長 内山 和秀氏(静岡県浜松市)
 

No.2 「引きつける力」を持ったキャラクターを生み出す

内山 実はキャラクター制作の進行中、「もっとインパクトのあるキャラクターの方がいいんじゃないか」というような意見も出たんです。
 
藤田 そうでしたか。そういったご意見をいただくこともあるので、僕はブランディングの際によく言うんです。クライアントの方がどう思うかも大切ですが、その商品を買ってくださるお客様がどう思うか、を考察してくださいと・・・。
 
内山 その通りですね。話題性を追うようなインパクトのあるキャラクターは丸浜には向きません。むしろ、すぐには大きな反響がなくてもじっくりと永い間、愛されるキャラクターで良かったなと感じています。
 
藤田 そう感じていただけて嬉しいです。僕がこのキャラクターに込めたのは「売ろう!」という気持ちではなくて「いいな」とお客様が感じられるような気遣いを見せるということでしたから。売るためのキャラクターではなく、お客様を引きつけるキャラクターにしたかったんです。
 
内山 「売る」ではなく「引きつける」ですか?
 
藤田 そう、「引きつける力」です。そういったキャラクターをつくるために、コンセプトを明確にして、伝えたい情報を精査し、わかりやすくまとめることに時間をかけました。
 
内山 当初は丸浜の主力である「片山みかん」をブランド名として売っていきたいとお願いしましたけど、それでは産地の良さが伝わらないので「丸浜みかん」でいきましょうと提案されて、方向性が1つにまとまるまでには時間も労力もかかりましたね。
 
藤田 何しろ「産地の農家を元気にするためのブランディング」ですからね。「丸浜柑橘農業協同組合連合会のみかん」ということがハッキリとわかった方が良いですし、シンボルは丸浜さんならではのブランド・コンセプトで表現するべきだと考えました。今の時代、お客様に受け入れられるのは、柔らかい感情を感じられる人間味のあるキャラクターだと思うんです。
 
内山 確かにそうですね。今だからこそ、先程の「引きつける力」の意味がよく理解できます。
 
藤田 僕はあのとき、丸浜さんのブランディングにおいて、本当にキャラクターをつくることが効果的なのか? という原点に戻って考えたりもしました。
 
内山 え? じゃあ、もしかしたら、キャラクター以外の方法を取っていた可能性もあったわけですか?
 
藤田 はい。依頼されたことだけの狭い視野で考えてしまうと、キャラクターという入れ物の中に特徴を詰め込むだけになってしまいますからね。最近はあちこちでブランディングが救世主のごとく扱われていますが、独自のブランド化のためには、選ばれるために「何を変えていくか?」「どんな切り口で何をプラスしていくか?」やるべきことを具体化しなければいけません。
 
内山 なるほど。私たち自身も打ち合わせを重ねる中で丸浜の強みを認識することができたし、それをどう活かし、ブランド化して市場を切り開いていくか? という思考に変わっていきましたね。
 
藤田 必要なのは、メッセージ・シンボルとして楽しさ、面白さといった感情やストーリー性を持ったものだと考えたので・・・。
 
内山 産地の魅力と商品を象徴するキャラクターが最適だという結論に至りました。
 
藤田 コミュニケーションに必要なアイコンとしてキャラクターをつくり、正しいイメージを喚起すべきだと思いました。キャラクターが決まるまでには厳しいご意見もいただきましたが・・・それに応えるために緊張感をもって制作ができたと思います。そうして生まれたのが4兄弟のキャラクターでした。
 
内山 個性は違うけどみんな元気、仲良し丸浜4兄弟ですね。コンセプトをつくっていく段階で「みかんは家族のコミュニケーション・フルーツだ」とおっしゃっていましたよね。それを踏まえた上でご提案いただいたキャラクターの「4兄弟」からは、私たちの想いだけでなく、家族の温かみやみんなで一緒に食べる雰囲気が感じられ、これなら丸浜みかんのイメージがお客様に伝わるんじゃないかと思いました。
 
藤田 主力の片山を筆頭に、青島・早生・極早生の4品種をみかんの兄弟にして、「大事に育てた、大地のみかん」というブランド・スローガンで、愛情と太陽の恵みたっぷりの丸浜みかんの良さが伝わるようにしました。
 
内山 他の産地との違いもわかりやすいですね。
 
藤田 しっかりと組み立てられたコンセプトから生まれたキャラクターには、強いメッセージ性があり、見た人の感情に届き記憶に残りやすいんです。4兄弟に続いてご依頼いただいた「ブルーベリー」のキャラクターも、もちろん「引きつける力」を考えてつくっています。
 
内山 女の子のベリーちゃんですね! ブルーベリーの生産量が整ってきたので、こちらもお願いしました。丁寧に摘み取るブルーベリーの収穫作業から、果実を台地の宝石に見立てて・・・とても可愛らしいキャラクターになっていると思います。
 
藤田 キャラクターはいろいろなシチュエーションで使われることを想定してつくっているので、4兄弟とベリーちゃんは並んでも違和感がないように、雰囲気も統一させました。
 
内山 2つのブランドを統一したキャラクターとロゴで販売していくことで、丸浜のブランド・イメージも確立されたように思います。こうやって改めてお話を伺うと、キャラクターをつくったときに納得していたことが、さらに一段深い部分にストンと落とし込まれた感じがしますね。
 
藤田 それは、丸浜さんが販売戦略をしっかり考えて露出を統一し、キャラクターを愛して大切に使ってきたからこそだと思いますよ。

     

 



ブルックスタジオ制作実例

>丸浜みかん
>浜松ブルーベリー

 

丸浜柑橘農業協同組合連合会

1968年(昭和43年)浜松市内総合農協並びに開拓農協をはじめ、静岡市農協、清水市農協、静岡県経済連(旧静岡県柑橘連)、静岡県開拓連の共同出資により丸浜柑橘農業協同組合連合会が組織される。産地規模は約133ha みかん生産者250人
 
▶︎丸浜柑橘農業協同組合連合会ホームページ

 


 
 ※1)丸浜産地活性化検討会:丸浜柑橘農業協同組合連合会が主体となり、年6回程の頻度で開催される産地・農家の活性化を促すための生産者を含めた検討会。

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